人材育成方針の重要性とは?策定手順、事例、テンプレート活用法を徹底解説

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人材育成方針の重要性とは?策定手順、事例、テンプレート活用法を徹底解説

人材育成方針とは、企業における人材育成の方向性を定めたものです。方針を定めることで、自社が目指す人材像とその育成方法を具体化できます。

適切な方針をもとに従業員がスキルアップすれば、企業の生産性向上を実現し、最終的な業績改善まで期待できるでしょう。自社の現状や経営戦略を把握した上で、具体的な人材育成方針を設計することが大切です。

人材育成方針が明確でないと、従業員のモチベーション低下や採用ミスマッチにつながる恐れがあります。本記事では、方針策定の手順や成功事例を基に、課題解決の具体策をわかりやすく解説します。

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人材育成方針とは?

人材育成方針とは、企業が「どのような人材を育成するか?」という方向性を定めたものです。人材育成方針を定めることで、事業目標の達成に向けて必要なスキルや具体的なアクションを明確化できます。具体的には以下が挙げられます。

  • 効率的な育成計画の作成
  • 必要な研修内容の策定
  • 従業員の人事評価制度の策定
  • 適切な人員配置の設計

また、人材育成の道筋を明らかにしておくことで、従業員自身も「何を目指して育成されているのか?」を明確に理解できます。そのため、目的意識を持ち高いモチベーションで研修や教育に取り組めるようになるでしょう。

人材育成の成果によって、企業の「ビジョン達成・業績アップ」を実現できるかが左右されます。それほど重要な人材育成に対し、従業員が積極的に取り組んでくれるようになるというのは、企業にとって理想的です。

人材育成に関する詳細は、以下の記事で解説しています。

人材育成方針を策定する重要性

人材育成方針を策定する重要性は、大きく以下の5つです。

  • 「求める必要な人物像」を明確化し適切な育成計画を策定できる
  • 従業員の評価基準を明確に設定できる
  • 従業員のパフォーマンスが向上し企業の成長につながる
  • 採用時のミスマッチを減らせる
  • 有価証券報告書で人材育成方針の開示が義務付けられている

「求める必要な人物像」を明確化し適切な育成計画を策定できる

人材育成方針を定めることで、「自社にとって必要な人物像」を明確化できます。人物像が明らかになれば、「従業員に身に付けてもらうべきスキルは?」「理想の従業員を育成するためにやるべきことは?」という点を判断し、正しい方向性で育成計画を策定できるでしょう。育成計画におけるアクションの具体性も高められるため、企業は必要な研修や教育に絞って、効率よくリソースを投下できます。

また、求める人物像を従業員と共有し「企業に貢献するために何を身に付けるべきか?」を考える機会を作ることで、目的意識を持って仕事に取り組む契機となるでしょう。

従業員の評価基準を明確に設定できる

求める人物像が明らかになれば、「自社で必要な◯◯のスキルを身に付けている従業員にインセンティブを与える」というように、評価基準も明確化できます。従業員も「高評価を得るために何をすべきか?」を適切に判断できるようになるため、仕事における次のアクションを考えやすくなるでしょう。

従業員のパフォーマンスが向上し企業の成長につながる

企業が求める人物像の方針を策定することで、従業員自身も「企業の考えに沿って活躍するために何をすべきか?」を考えられます。「資格を取得して◯◯のスキルを身に付けよう」「マネジメント経験を積極的に積んでアピールしよう」というように、やるべきことがわかれば仕事へのモチベーションが湧いて、パフォーマンス向上につながるでしょう。

従業員のモチベーションが上がり自発的にスキルアップしてくれれば、業務の生産性も向上し、長期的な業績アップにつながります。

採用時のミスマッチを減らせる

「自社で求める人物像」を明確に打ち出すことで、求職者は「この企業は自分の性格・価値観・キャリア志向に合っているか?」という点を判断しやすくなります。結果的に、自社の人物像に共感した人材からの応募が増えるため、採用活動におけるミスマッチを減らせるでしょう。

ミスマッチを減らし、自社のカルチャーに合う優秀な人材を確保できれば、すでにモチベーションが高い従業員に絞って教育コストを割けるようになります。

有価証券報告書で人材育成方針の開示が義務付けられている

そもそも上場企業の場合、有価証券報告書で人材育成方針を開示することが義務付けられています。金融庁の公式サイトでも、以下のように記載されています。

人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針及び当該方針に関する指標の内容等について、必須記載事項として、サステナビリティ情報の「記載欄」の「戦略」と「指標及び目標」において記載を求めることとします。

引用元:金融庁「「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について」, 令和5年1月31日公表,(閲覧日:2025年1月30日)

育成方針の具体的な記載イメージについては、金融庁のサイトを参考にするとよいでしょう。

参考)金融庁「有価証券報告書のサステナビリティに関する考え方及び取組の開示例 3.「人的資本、多様性等」の開示例」,『記述情報の開示の好事例集2023』, p13~,https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20231227/06.pdf(閲覧日:2025年1月30日)

人材育成方針を策定する具体的な手順

人材育成方針を策定する具体的な手順は、以下の通りです。

  1. 自社の現状を把握する
  2. 経営戦略や理念への理解を深める
  3. 具体的に「どんな従業員を育成したいか?」を決定する
  4. 具体的な人材育成の方針を策定する

1.自社の現状を把握する

まずは以下の項目を参照しつつ、人材育成に関する現状を把握しましょう。

  • 現状の従業員のスキルレベルは?
  • 現場ではどんな人材を求めているのか?
  • 育成方法に関する部署ごとの課題があるか?
  • 経営方針を意識してスキルアップを目指す従業員はどれくらいいるか
  • 年代ごとスキルの習得度はあるか?

現状を把握する際は、必ず現場の従業員へヒアリングやアンケートを行い、現場の実態を掴むことを意識しましょう。経営陣や管理職サイドのイメージだけで課題を考えてしまうと、現場との乖離が生まれてしまい、適切な方針を策定できません。現場の実態にそぐわない方針を策定すると、従業員のモチベーション低下を招くため注意しましょう。

2.経営戦略や理念への理解を深める

人材育成方針は、「経営戦略や理念の実現に必要な人物を確保するため」に決めるものです。そのため、そもそも経営戦略や理念への理解が粗いと、「どんな人材が必要か?」を正しく判断できません。自社の方向性とマッチしない人材を育成してしまうと、せっかくスキルアップしても業務で十分に活躍できない可能性もあります。

そのため、改めて経営戦略や理念について理解を深めましょう。「今の経営戦略や理念を掲げた理由」なども含めて深掘りしてください。

3.具体的に「どんな従業員を育成したいか?」を決定する

上記で洗い出した現状の課題や企業の方針をもとに、理想の従業員像を決定しましょう。人物像を明確に定めるほど、具体性が増して必要な研修や教育などを判断しやすくなります。

例えば「今後は企業のDX化を推進したい」というゴールを掲げているなら、DXスキルや知識を身に付けた従業員の育成に注力するとよいでしょう。あるいは「新規事業に取り組みたい」ということであれば、チャレンジングな精神を持ち柔軟な発想でビジネスに取り組める従業員を育成することが大切です。

4.具体的な人材育成の方針を策定する

理想の従業員像を決めたら、育成に必要な方針を策定しましょう。自社で必要な人物像を踏まえ、以下のようなポイントまで落とし込むことが大切です。

  • どんなスキルを身に付けてほしいのか?
  • どの研修を活用して教育するのか?
  • いつまでに教育するのか?
  • どの部署から何人育成するのか?

方針が明確なほど現状とのギャップが明らかになり、差を埋めるための具体的なアクションまで考えやすくなります。

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人材育成方針の策定時に使えるテンプレート

このように、人材育成方針を策定する際はいくつかのステップを踏むことが大切です。とはいえ、これから本格的に人材育成を進めたい企業にとって、いきなり0から現状を把握したり求める人物像を考えたりするのは、リソースやノウハウが不足している企業にとって負担が大きい場合があります。

そのような場合には、人材育成計画のテンプレートを活用しましょう。テンプレートであれば、方針を定めるまでの道筋が明確化されているため、人材育成の知見がない企業でもスムーズに取り組めます。

以下の記事で人材育成方針の策定に使えるテンプレートをダウンロードできるため、ぜひ活用してください。

人材育成方針の策定・運用を成功させるポイント

人材育成方針の策定・運用を成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 定期的に方針を見直してブラッシュアップする
  • 決定した方針や計画を社内で共有する
  • 社内のサポート体制を整備する
  • 必要に応じて人事評価制度も見直す
  • 現実的に達成可能な方針を掲げる

定期的に方針を見直してブラッシュアップする

人材育成方針は、以下のような観点で定期的に見直すことが大切です。

  • 経営戦略の変更に合わせて必要な人物像もブラッシュアップしているか?
  • 取り組みの方向性は合っているか?
  • 現場の実情とかけ離れた方針を作成していないか?

とくに現代では、インターネットやSNSなどの発達に伴い、仕事で必要なスキルや知識も目まぐるしく変化しています。そうした変化に対応するには、方針のブラッシュアップを続け、時代の変化に対応できるような人材に育成することが大切です。

決定した方針や計画を社内で共有する

決定した人材育成方針および育成計画は、経営陣やマネジメント層だけでなく、現場の従業員レベルまで浸透させましょう。社内の隅々に浸透させることで、従業員も「ゴールに向けて自分は何をすべきか?」「どんな目的を持って研修に臨むべきか?」といった点を自発的に考えられるようになります。

方針を浸透させるには、以下のような方法を活用しましょう。

  • 説明会を行い経営陣が期待することを従業員へ説明する
  • 定期的にミーティングを行い方針やアクションを確認する
  • 社内報や掲示板で方針をわかりやすく発信する

社内のサポート体制を整備する

従業員にアクションを起こしてもらうには、一方的に共有するだけでなく、以下のような施策を通じてサポートすることも大切です。

  • 人材育成に関して相談できる専用窓口を設置する
  • 人材育成の専門部署を設置する
  • 従業員と面談する機会を設けて現場の声を吸い上げる

手厚いサポートを提供し方針に関する疑問や悩みを解消できる体制を整えることで、従業員もアクションを起こすモチベーションが高まります。

必要に応じて人事評価制度も見直す

人材育成方針に合わせて、人事評価制度も適宜見直しましょう。人事評価制度が過去の理念やビジョンに基づいて設計されている場合、現状の従業員のアクションと結びつかず、適切な評価を下せないこともあります。公正な評価を下せないと、従業員のモチベーション低下を招くため注意しましょう。

見直しの際に「企業が掲げる人物像に近付いている従業員を評価する」「スキルアップに向けて積極的に行動している従業員を評価する」といったイメージで改善すると、より社内で浸透しやすくなります。

現実的に達成可能な方針を掲げる

人材育成方針は従業員の成長を促すものであるため、ある程度は高めに設定することが大切です。とはいえ、現状と照らし合わせてあまりに無謀な方針を掲げることは避けましょう。目標達成が困難なほど従業員のモチベーションは低下し、ストレスが原因で職場環境の悪化を招くかもしれません。また、企業としても、到達困難な部分に時間とコストを投下することになり、リソースを無駄に減らすだけになるでしょう。

こうした事態を防ぐためには、現状のレベルから一歩ずつステップアップできる方針を掲げることが大切です。

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【民間企業】人材育成方針の事例

それでは参考までに、代表的な人材育成方針の策定事例をチェックしましょう。

まず、民間企業における人材育成方針の代表例は以下の通りです。

  • サントリーホールディングス株式会社
  • 富士通株式会社
  • 三菱重工業株式会社

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社では、以下を人材育成方針に掲げています。

日本発のグローバル企業を実現する人財育成と成長機会 

引用元:サントリーホールディングス株式会社「人財育成と成長機会」, (閲覧日:2025年1月30日)

以下5つの考え方をベースとして、従業員にさまざまな成長の機会を提供し、世界中の顧客へ価値を届けることを目指しています。    

  • 事業の拡大と従業員の成長フィールドの拡がり
    従業員個人の育成計画に基づく「全社員型タレントマネジメント」を実施し、個人の成長や企業への刺激を生み出すことを目的としている。
  • 世界中のサントリー従業員の学び舎サントリー大学
    企業内大学で提供している人財育成プログラムの総称を指す。「自ら学び、成長しつづける風土の醸成」「創業の精神の共有と実践」「リーダーシップ開発」「未来に向けた能力開発」という4つの視点を体現できるプログラムを提供している。
  • 共通言語としての「理念」の普及
    国内外のシニアリーダー層を対象にした「Global Leadership Forum」と、海外グループの従業員を対象にした「Ambassador Program」を実施することで、理念の浸透を目指す。
  • サントリーならではのリーダーシップを世界中で強化
    管理職の人財育成力を強化する「突撃!隣のマネジャー」という企画や、グローバルリーダーの育成を目的に開発した「Beyond Borders」などを実施し、世界で活躍できる経営人財を育成する。
  • 従業員に浸透するキャリアオーナーシップ
    自部署を紹介する「部署フォーラム BUSHOFO」や社内公募による部署異動などを通じて、従業員全員がキャリアオーナー(自らの旗を立て、挑戦し、やりぬくことができる強い個)になることを目指す。

とくに「サントリー大学」の取り組みは世界でも高く評価されており、米国のChief Learning Office誌主催の「2022Learning Elite(​​従業員の育成に向けて優れた取り組みを行う企業を表彰するもの)」でブロンズを受賞しています。

富士通株式会社

富士通株式会社では、以下を人材育成方針として掲げています。

  • 「会社主導の教育」から「社員の自律的な学び・成長を支援」
  • 「マスへの一律な対応」から「個にフォーカス」(階層別研修廃止)

引用元:富士通株式会社 Employee Success本部長 阿萬野 晋「富士通が目指す適所適材の配置と人材の流動化~チャレンジを後押しする環境整備~」,『厚生労働省 第6回雇用政策研究会』,P21(閲覧日:2025年1月30日)

同社は、従業員と組織が「自律と信頼で結ばれることを理想として掲げています。具体的には、従業員が「自立して組織に貢献する」・企業が「魅力的な成長の場を提供する」というイメージです。この理想を体現するために、上記の人材育成方針へ改定しました。

具体的に以下のような取り組みを行うことで、従業員自身が自発的に成長できる環境を構築する努力を続けています。

  • 社内専用プラットフォーム「FLX」を活用し、さまざまなスキルをいつでも学べる環境を提供する
  • キャリアに関する組織課題に向き合う「キャリアコーディネータ」と、従業員の状況と向き合う「キャリアカウンセラー」という両側面からのキャリア支援を受けられる
  • 従業員本人のキャリア希望に応じて、異動や幹部昇格を目指せる公募制度を導入する

三菱重工業株式会社

三菱重工業株式会社では、以下を人材育成方針として掲げています。

対話によって成長課題を把握して目標を定め、「日々の業務経験・OJT・Off-JT」を通じて成長とキャリア育成をサポートする

上記の方針は、同社のグループミッションを達成するために、中長期視点で取り組んでいるものです。以下のように、社員・会社・上司の役割を明確化し、三者すべてが関わることを目的としています。

  • 社員の役割:自己成長のために自発的に学び、挑戦する
  • 会社の役割:求める人材を明確化したうえで、自己成長を望む社員へ成長の機会を提供する
  • 上司の役割:人材育成を重要な業務であると認識し、社員の目標達成に向けて積極的にフィードバックを行う

方針達成に向けた取り組みとしては、マネジャーと従業員の対話を促進して職場環境の改善を目指す「エンゲージメントサーベイの実施」、従業員が自発的にのびのび働けるようにする「勤務形態の拡充」などが挙げられます。

【自治体】人材育成方針の事例

続いて、自治体における人材育成方針の策定事例は以下の通りです。

  • 大阪府四條畷市
  • 神奈川県
  • 広島県

大阪府四條畷市

大阪府四條畷市では、以下の人材育成方針を掲げています。

  • 「なぜこの業務を行うのか?」という点に納得感を持たせる
  • 従業員の心理的安全性を確保できる職場を作る
  • PDCAやトライ&エラーの重要性を浸透させる

同市は「日本一前向きな市役所を目指す」という目標を掲げ、自律的組織への移行を目指しています。この改革を成功させるために上記の方針を定め、従業員が業務の意味を理解して意欲的に取り組んだり、積極的に挑戦したりできるような環境の構築を目指しています。

具体的な取り組み例として、「組織エンゲージメントを数値化するシステムの導入」が挙げられます。システムによって「組織基盤・直属の上司・所属するチーム」という3つの基盤をもとにアンケート調査を実施。算出スコアをもとに組織の強み・弱みといった傾向を、部署や役職、年次などを跨いで分析しています。

神奈川県

神奈川県では、以下の人材育成方針を掲げています。

  • 職場経験を通した専門性や実務能力の向上
  • 効果的な職員研修の実施
  • 従業員の主体性を重視した人材育成の実施
  • 人事評価の人材育成への活用

以下2つの理想像を実現するため、人材育成方針に基づく取り組みを推進しています。

目指すべき組織像

  • 効果的に政策を推進できる組織
  • 互いに連携できる組織
  • 働きやすい職場環境が整備された組織

目指すべき職員像

  • 使命感や情熱にあふれ、県民目線で業務を遂行できる職員
  • 高い専門性と課題解決力を持っている職員
  • チャレンジ精神にあふれ、アグレッシブに行動できる職員
  • 幅広い視野と高いマネジメント能力を持っており、チーム力を発揮させる職員

達成に向けた代表的な施策として、「キャリア選択型人事制度」が挙げられます。この制度は、職員のキャリアプランや適性などを見極め最適な業務を割り振り県民へ貢献することを目的に運用している制度です。

例えば「一般事務職」の場合、採用後に約10年間のジョブローテーションを経た後、組織・管理系や事業・企画系、政策エキスパートなどの12分野から、能力と適性を踏まえて職員自身で業務を選択できます。分野選択後は、異動先の業務に軸を置きつつ他の分野も経験できるため、高い専門性と広い視野を育成可能です。

広島県

広島県では、以下の人材育成方針を掲げています。

「日本一強い県庁」を支える人材の確保・育成・活用

「成果に向けて積極的にチャレンジできる職員」を育成することを目的に、上記の方針を掲げています。

とくに人材マネジメント戦略に注力しており、「採用から退職までを一体化させた戦略」を行っている点が特徴です。この戦略は「全職員がモチベーションを高めて成長し続けられること」を目的に運用されています。具体的には、過去の人事施策を改めて整理し「採用・退職・能力開発と研修・評価と給与」といった人事領域の各施策を、統一した方針をベースに一体化させて実施しています。

具体的な施策の例は、以下の通りです。

  • 専門能力を持った人材の確保・育成:「専門のキャリアパスを活用したスペシャリスト人材の育成」を行い専門知識が必要な分野で活躍できる人材を確保する
  • 職員の満足度の向上:希望のキャリアプランを踏まえた職場へ配置し、仕事に対するモチベーションを高めてもらう
  • ライフステージに合わせたキャリア形成支援:「メンター制度の導入」「節目ごとにおけるキャリア形成支援研修の実施」などを通じ、職員が希望するキャリアを達成できるようサポートする

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まとめ

人材育成方針とは、企業で育成したい人材の方向性を定めたものです。方針を定めて自社の従業員に求めるスキルを明確化しておけば、「適切な育成計画を策定できる」「従業員の評価基準を明らかにしてモチベーションを高める」などのメリットを実感できます。

人材育成方針を策定する際は、以下の手順を参考にしましょう。

  1. 自社の現状を把握する
  2. 経営戦略や理念への理解を深める
  3. 具体的に「どんな従業員を育成したいか?」を決定する
  4. 具体的な人材育成の方針を策定する

実際に方針を決めたら、「定期的に見直してブラッシュアップする」「社内のサポート体制を整備する」といったポイントを押さえることも大切です。

より詳しい策定のコツや効果的な教育手法などが気になった人は、ぜひ以下の資料も活用してください。

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参考)
三菱重工業(株) 江本 裕哉「原子力産業界における働き方改革(第3回)三菱重工は社員一人ひとりが自律的に働くことができる環境づくりを推進」, 『日本原子力学会誌』, Vol.65,No.4 ,2023,P48-51.
総務省「地方公共団体における 人材マネジメントの方策に関する研究会 令和3年度報告書」, P48-50,https://www.soumu.go.jp/main_content/000803129.pdf(閲覧日:2025年1月30日)

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