【営業・事務職】新入社員研修で身につけたいスキルは?事例とポイントを解説!

営業や事務の部署から、新入社員をもっと教育してから配属してほしいという声が上がっている

多くの現場で人材不足の問題を抱えている現在、現場の従業員に新入社員教育の負担をかけることは難しくなっています。そのため、新入社員が現場にスムーズになじめるよう充実した内容の新入社員研修が必要です。

実際に株式会社ベネッセホールディングスが実施した「2023年度新人研修に関する意識調査」1によると、新入社員研修で得てほしいことは何かという問いに対して、最も多かった回答は「業務に必要なスキルや知識を早期に習得すること(47.3%)でした。

この結果から、多くの企業が実践的な内容の新入社員研修の必要性を感じていることが分かります。

また、2023年に当社が実施した「新入社員研修に関する調査」の結果においても、新入社員自身が「新入社員研修でもっと学びたかったこと」として「パソコンスキル」や「プレゼンテーション能力」といった業務に直結したスキルが、ビジネスマナーやマインドセットなどに次いで上位にランクインしました。

新入社員研修の満足度は?どのような課題があるのか?⇒「新入社員研修に関するアンケート調査」を無料でダウンロードする

この記事では、特に営業と事務の職種で、新入社員の早期戦力化を実現する研修カリキュラムや実施のポイントを解説していきます。

また実際に営業職向け・事務職向けの新入社員研修を実施している企業の事例も紹介しているので、職種別研修を検討している企業の方はぜひ参考にしてください。

AIで要約

  • 営業・事務職の新入社員には職種別研修が効果的です。
  • 営業職は自社の商品・サービスへの理解やコミュニケーション能力、事務職は業務理解とIT知識が重要です。
  • 早期戦力化のポイントは実践的な研修と意識改革です。
LEARNING SHIP

「新入社員のやる気を引き出したい。どのような研修が効果的だろうか?」 入社3年以 […]…

「コミュニケーション力」「Microsoft365」など、営業/事務職の新入社員向け教材を豊富にラインナップ! ⇒ ライトワークスの新入社員研修向けeラーニングを詳しく見る

営業/事務職の新入社員研修の目的

新入社員の早期戦力化には、一般的な内容の新入社員研修とは別に、配属される職種ごとの研修を実施することが効果的です。ここでは営業職と事務職、それぞれの研修の目的を解説します。

【営業職】営業職の役割理解やノウハウの共有など

営業職向けの新入社員研修を実施する目的の1つは、企業の中での営業職の役割を正しく理解してもらうことです。

営業職に対して、売り上げノルマに追われたり顧客から叱責されたりするといった、ネガティブなイメージを持つケースは少なくありません。しかし営業職は、売り上げを獲得するという重要な役割を持つ、企業になくてはならない職種です。

研修を通して新入社員に営業職の重要性を十分に伝えることで、新入社員のモチベーション向上につながります。

また営業職向けの新入社員研修には、新入社員が自己流で間違った営業スタイルを身に付けてしまう前に、社内で蓄積されたノウハウを共有するという目的もあります。

企業の利益に直結する営業部門では、新入社員の早期戦力化が求められます。売れる営業になるためには、まずは営業成績の良い先輩従業員の方法をまねることが効果的です。

特に現在は、自社の商品・サービスを一方的に売り込む営業スタイルが敬遠され、顧客の悩みや課題に沿って解決策を提案するソリューション営業が重視されます。

ソリューション営業にはヒアリング力や論理的思考などいくつものスキルが要求されるため、新入社員研修はそれらの基礎を学べる内容にすることが大切です。

株式会社ライトワークス | エンタープライズ向けLMSの最大手

【事務職】業務フローやシステムの使用方法の把握など

事務職向けの新入社員研修は、配属先の業務フローを理解し業務で使用するシステムに精通してもらうことが目的です。

事務職では業務の効率化とスピード感が重視されます。自分に与えられた仕事だけでなく、部署の業務全体の流れを把握して、いかに速く的確に進行するかという視点が必要です。そしてそのために、現在ではITツールの知識は欠かすことができません。

また、事務職の新入社員を早期戦力化するためには、研修で業務に必要な知識とスキルを身に付けてもらうとともに、生産性や顧客満足度の向上といった広い視野で業務に取り組む姿勢を養うことも大切です。

新入社員研修の改善・効率化・低負担化をeラーニングで実現!⇒ ライトワークスの新入社員研修向けeラーニングを詳しく見る

営業/事務職の新入社員研修カリキュラムの内容例

次に営業職と事務職、それぞれの新入社員研修のカリキュラムの内容例を紹介します。

【営業職】新入社員研修で身に付けたい7つのスキル

営業が成約に至るには、さまざまなスキルを駆使しなくてはなりません。ソリューション営業が主流となった現在は、商品・サービスを売り込むだけでなく、顧客の課題をヒアリングする力も必要です。

ここでは営業職で必須とされる、7つのスキルについて解説します。

スキル1:コンプライアンス

自社の社会的信用を高め、適切な営業活動を行うためには、営業活動に関する法令の知識が必要不可欠です。

特に現在は、下請法(下請代金支払遅延等防止法)や独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)といった法律に基づき、対等な関係での公正な取引が求められています。

営業担当者は、各法令の意図を理解し、自身の営業活動がそれらに違反しないか、常に振り返って考える姿勢を持つ必要があります。

eラーニングで楽しく気軽にコンプライアンスを学ぶ⇒ ライトワークスの「コンプライアンス研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル2:自社商品・サービスと市場の知識

自社の商品・サービスへの理解は、営業担当者として顧客から信頼を得るための最低限のスキルです。商品・サービスの概要だけでなく、競合他社との差別化のポイント、市場での位置付けなど顧客から質問されたことには、新入社員であっても答えられるようにしておかなくてなりません。

また、顧客にとって営業担当者との商談は市場の動向を知る機会でもあります。研修では自社の商品・サービスに限らず、新入社員が業界全体についても理解を深められるようにしましょう。

営業に必要な知識とスキルを体系的に学ぶ ⇒ ライトワークスの営業職向けeラーニング教材を詳しく見る

スキル3:コミュニケーション

コミュニケーションは営業活動の大部分を占める要素です。特にソリューション営業においては、顧客の現状を把握するための質問力、顧客から話を引き出す傾聴力が重視されます。

またコミュニケーションは、営業事務や製造などの関連部門とのチームワークなど、社内の連携においても必要です。新入社員研修ではコミュニケーションによる信頼関係構築の方法を学びます。

ビジネスや人間関係を円滑にするスキルを身に付ける ⇒ ライトワークスの「コミュニケーション研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル4:プレゼンテーション

顧客に自社の商品・サービス導入の必要性を伝えるには、プレゼンテーションのスキルも求められます。

顧客は商品・サービスの性能が良いから購入するのではなく、それを導入することで自身の課題を解決したいから購入するのです。その顧客心理を踏まえて、いかに自社の商品・サービスが課題解決に役立つかを分かりやすく伝えなくてなりません。

また、プレゼンテーションの成否は事前準備に大きく左右されます。新入社員研修では効果的な営業資料の作り方なども学びます。

相手の心を動かすプレゼンテーションを学ぶ ⇒ ライトワークスの「プレゼンテーション研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル5:課題発見・解決

顧客に選ばれるためには、顧客の抱える課題の解決方法を提案できることが重要です。さらに現代においては、そもそも顧客が解決するべき課題が何なのかを見つけ出し、提示する力も必要です。

急速な技術の進化により、現在は先が読めない時代といわれています。その中で市場の動きを的確に予測し、顧客が対策すべきことを提案できれば信頼が得られるでしょう。

過去の事例を踏襲しているだけでは、今後生じ得るビジネス課題への対処は困難です。データを駆使して課題解決の道を探るには、次項で解説する論理的思考が求められます。

VUCA時代に通用する課題解決スキルを身に付ける⇒ ライトワークスの「ロジカルシンキング研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル6:論理的思考

ソリューション営業においては、論理的思考力も必要です。顧客の抱える課題は、さまざまな要素が複雑に絡み合っているケースもあります。それぞれの要素や因果関係を把握して、正しいソリューションを提案するには論理的思考が欠かせません。

さらに顧客に対してより説得力のある提案をするため、論理的に組み立てられた話し方も求められます。

新入社員研修では、論理的思考を身に付けるためのグループワークやビジネスゲームなどを取り入れると効果的です。

複雑化するビジネス課題の本質を見抜く力を身に付ける⇒ ライトワークスの「ロジカルシンキング研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル7:提案・クロージング

顧客に最適なソリューションを提案した後は、購入の意思決定を促すクロージングに移ります。どれだけ説得力のある提案をしたとしても、自信のない態度や曖昧な問い掛けでクロージングをすると成約を逃してしまいます。

新入社員研修では、顧客にはっきりと意思確認をするクロージングの方法も学びます。緊張を伴うクロージングは、特に新入社員が苦手とするプロセスです。実際の商談に臨む前に、ロールプレイングを重ねて自信を付けさせるとよいでしょう。

ロールプレイングの様子を録画してeラーニング教材化するのも、各自で繰り返しポイントを確認して成功のイメージをつかむことができるのでおすすめです。

eラーニング教材の内製が難しい場合は、外部のサービスを活用しましょう。当社では、「まなびのプロ」が、貴社に最適なオリジナルeラーニング教材を制作いたします。

研修動画や自社の営業ノウハウをeラーニング教材化 ⇒ ライトワークスの教材制作サービスを詳しく見る

【事務職】新入社員研修で身に付けたい6つのスキル

事務職は経理事務や人事事務、営業事務など配属先によって、求められる知識が異なります。ここでは、事務職全般で必要とされる一般的なスキルについて解説します。

スキル1:顧客対応

事務職にも電話やメール、来客対応といった顧客と接する場面があります。全体研修で基本的なビジネスマナーを学んだ後は、電話対応のロールプレイングなどを交えて実践的な顧客対応を身に付けてもらいます。

また、現在ではビジネスの現場でもチャットによるコミュニケーションが一般的になっています。各チャットツールの使用方法や、プライベートでのチャットとは異なるビジネスチャットのマナーも併せて説明しましょう。

いち早くビジネスの基礎を固め自信をつける⇒ ライトワークスの「ビジネスマナー研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル2:業界知識

事務職の業務を遂行する上でも、自社の商品・サービスをはじめとした業界全体の知識は必要です。

特に営業事務の場合、営業担当者に同行して顧客との打ち合わせに参加するケースもあります。的確な受け答えをするためには、事務職であっても常に業界の最新動向をキャッチし、日々新しいことを学ぼうとする前向きな姿勢が求められます。

スキル3:PCスキルやIT知識

現在では事務作業のほとんどでPCを使用します。書類作成やデータ入力においては一般的にWordやExcelの操作が必要になり、事務職として必須のスキルといえるでしょう。

特にExcelは人によってスキルレベルにバラつきが生じやすいため、簡単な関数の機能を使用できる程度になるよう、研修で新入社員のレベルを底上げしておく必要があります。

Excelの必須知識を動画で学べる⇒ ライトワークスの「パソコン研修」eラーニング教材を詳しく見る

その他、人事事務であれば勤怠管理システム、経理事務であれば会計ソフトなど、各部署で欠かせないツールの操作についても新入社員研修で説明しておくとよいでしょう。

さらに、技術の進化に伴って次々と新しいデジタルツールが導入される可能性が高いので、初めてのツールも抵抗感なく活用できるようにITリテラシーを高める必要もあります。

実務に役立つITスキル習得と試験対策が同時にできる ⇒ ライトワークスの「IT研修/DX研修/AI研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル4:情報セキュリティ

情報セキュリティについての知識・スキルは、PCスキルやIT知識とワンセットで習得しておきたいものです。

事務職は顧客情報や従業員の個人情報、社外秘のデータなどの機密情報を含め、日々さまざまな情報を取り扱います。もしも機密情報が流出してしまうと、企業として社会的信用を失ったり、事業に大きな損害を与えたりする可能性があります。

デジタルツールの操作ミスによる情報漏えいがないようにすることはもちろん、最新のウイルス対策などについても学ぶ必要があるでしょう。

従業員一人ひとりの情報セキュリティ意識を高める⇒ ライトワークスの「情報セキュリティ研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル5:コミュニケーション

事務職は社内のさまざまな部署・職種の担当者と連携しながら業務を進めていくため、コミュニケーションのスキルが業務効率化の鍵となります。

仕事を頼まれたら、まず相手の指示を正確に理解し、分からないことは相談して、進捗の遅れやトラブルが発生すれば逐一報告します。このようなビジネスコミュニケーションの基本を、新入社員研修でしっかりと身に付けられるようにしましょう。

またコミュニケーションが円滑になるよう、笑顔やあいさつを意識するなど、日頃から気持ちの良い対応を心掛けることも大切です。

業務や人間関係を円滑にするコミュニケーションスキルを身に付ける ⇒ ライトワークスの「コミュニケーション研修」eラーニング教材を詳しく見る

スキル6:スケジュール管理

事務職は上司や他の部署から頼まれた仕事に対応するケースが多いため、その都度タスクに優先順位を付けて業務を進める、スケジュール管理のスキルが求められます。

なおかつ近年は、働き方改革やワークライフバランスの推進により、多くの企業が時間外労働の削減に取り組んでいます。限られた業務時間内で抱えているタスクを全て完了するには、時間を効率的に使って生産性を高めるタイムマネジメントが重要です。

営業/事務職の新入社員を早期に戦力化するポイント

営業職向け、事務職向けの新入社員研修では、何よりも早期戦力化の実現が重要となります。実施の際には、それぞれ以下のポイントを心掛けましょう。

【営業職】ソリューション営業の必要性を伝える

営業職として成果を上げるためには、新入社員研修でソリューション営業のスタイルを身に付ける必要があります。

現在では多くの業界が成熟期に移行し、類似の商品・サービスが市場にひしめいています。そのような状況で継続して売り上げを伸ばすためには、ビジネスパートナーとして顧客からの揺るぎない信頼を勝ち取らなくてはなりません。

そのためには、顧客の課題を顕在的なものから潜在的なものまで分析し、解決の筋道を論理的に思考する力が必要です。新入社員研修ではソリューション営業の必要性を伝え、学習する内容がそれぞれ実際の営業活動でどのように生かされるのか、イメージしやすいようにしましょう。

【営業職】ロールプレイングなど実践的内容を盛り込む

座学で学んだことをスキルとして完全に習得するためには、実践が効果的です。営業職向けの新入社員研修であれば、実際の商談を想定したロールプレイングを盛り込みましょう。

ロールプレイングで上司や先輩従業員から効果的なフィードバックを受けられれば、改善すべき点が明確になり、営業活動に必要なスキルがブラッシュアップされます。さらに得意な点を評価されることで、自身の営業活動に対する自信にもつながります。

ロールプレイングの回数を重ねれば、営業職未経験者も研修修了後にスムーズに商談をこなすことができるようになるでしょう。

【事務職】事務職に求められる役割の変化を伝える

時代の変化に伴い、事務職の組織の中での役割は大きく変わりつつあります。従来の「指示された書類作成やデータ入力の作業を淡々とこなす」ことは、外注したりデジタルツールが担ったりするケースが増えたためです。

現在では事務担当者も業界の動向にアンテナを張り、業務フローや組織体制で改善すべき点があれば積極的に提案することが求められます。特に各種デジタルツールを操作する機会が多い事務職は、それらを駆使して一層の生産性向上を目指し、自らの業務領域を広げていくことも可能です。

新入社員研修では今後の事務職に期待されている役割について説明し、組織の中核を担う人材を目指すというマインドセットの構築を働きかけましょう。

【事務職】CS(顧客満足)マインドやセールスマインドの醸成

営業事務に限らず、事務職が担う書類作成などの業務も、最終的には顧客満足度向上のため、ひいては企業としての利益追求のためのものです。目の前の業務に取り組むときに、そうしたCSマインドやセールスマインドを持っているかどうかで、仕事の質が変わります。

「どうすれば顧客に喜んでもらえるか、営業成果につながるか」という視点を持つことで、書類作成やメール対応にも工夫が生まれるでしょう。またイレギュラーな対応が発生したときにも、それがチームの成果に貢献すると分かれば前向きに取り組めるようになります。

事務職の新入社員を早期戦力化するためには、「目の前の仕事にはどのような目的があるのか」を考えられる人材に育てることがポイントです。

営業/事務職の新入社員研修事例

ここでは、実際に営業職向け・事務職向けの新入社員研修を実施している企業の事例を紹介します。

【営業職・事務職】Sky株式会社

ソフトウェア開発を手掛けるSky株式会社は、ビジネスマナーなど基礎的なスキルを学ぶ全体研修と、配属先の業務に合わせた職種別研修の2段階構成で新入社員研修を実施しています。

営業職向けの新入社員研修では、グループワークや営業活動のロールプレイングなどを通して、以下のような営業職で必要となる基礎知識・スキルを学びます。

  • 営業担当者としてのマインドセット
  • アポ取り、情報の発信・収集・整理の方法
  • 自社商品や業界についての知識
  • 社内ツールの活用方法  など

さらに営業職では部門別の研修も行われ、商品のデモンストレーション体験やトラブル対応をケーススタディで学ぶなど、実践的なカリキュラムが組まれています。

事務職向けの新入社員研修では、事務職に必要な考え方やマナー、PC操作、部門ごとの役割と仕事内容、社内ツールの活用方法といった事務職の基礎知識・スキルを学びます。業務の一部を実際に体験できるなど、営業職の研修と同様に実践的な内容も盛り込まれています。

これらはいずれも、全職種合同で行われる新入社員研修と、配属後のOJTの間で実施される研修です。半月以上の期間をかけて職種別研修を行うことにより、OJTの効果が高まり新入社員の早期戦力化が可能になります。

【営業職・事務職】日本テクノ株式会社

電気エネルギー関連の総合サービスを提供する日本テクノ株式会社では、部署別・部門別の新入社員教育に力を入れています。

営業職をはじめとして、全ての職種の新入社員が4月に基礎教育研修を受けます。

その後、営業職では電力供給部門や電気保安部門などの各部門の講師による事業部別研修が行われ、同社の幅広い事業の全体像を把握します。営業担当者として顧客へアプローチするには、まず電力ビジネスの一貫した流れを理解する必要があるためです。

入社1年目が終わるころにはフォローアップ研修も設けられ、研修講師からアドバイスを受けたり、各商材のより高度な内容のレクチャーを受けたりと、営業担当者として一層活躍できるよう知識を深めます。

その他にも営業職では、コールセンターが担う監視業務に関する知識や電話での顧客対応について学ぶ、日本テクノCALL研修など、実践的な研修が実施されています。

一方、事務職では基礎教育研修の後、基本的に先輩従業員によるOJTが行われます。実際の業務を進めながら実践的なスキルを習得し、並行して部門内の勉強会や講習会に参加して専門的な知識を深めていくスタイルです。

【営業職】日本光電工業株式会社

医用電子機器の総合メーカー・日本光電工業株式会社は、営業職に就く新入社員の早期戦力化に積極的に取り組んでいます。

同社では、全職種を対象に約2カ月間の新入社員研修を実施しており、研修後半は職種別に現場に即した知識やスキルを学びます。

営業職の新入社員は、配属されてしばらくは先輩従業員の営業活動に同行する日々が続きます。実際に医療の現場を回って、顧客の課題に対して最適な商品を提案するというソリューション営業のスタイルに慣れるためです。入社2年目以降には、商品研修や営業スキル研修といった専門研修を受講します。

新入社員は、先輩従業員のサポートを受けつつ顧客訪問を重ねて経験を積み、段階的により深い知識の習得やスキルアップを図りながら営業スタイルを確立していきます。このように、同社では営業担当者が早期から活躍できるよう教育体制を整えています。

【事務職】日本リック株式会社

総合人材サービス企業の日本リック株式会社では、事務職の正社員をクライアント企業に派遣しています。そのため、どのような職場でも通用する事務スキルを入社時にしっかりと習得できるよう研修を充実させています。

同社の事務職向けの新入社員研修は、座学での基礎研修からOJTでの実践研修へとステップアップしていく形式です。まず基礎研修でビジネスマナーやPCの基本操作といった事務職の基本スキルを身に付け、その後、自社オフィス内で実際に電話対応やデータ入力、書類作成などを行う実践研修に移ります。

学んだ内容をすぐに実践することで、知識が定着しやすくなり、新入社員の早期戦力化につながります。実際に同社では事務職が未経験であっても、半月~1カ月間の研修を経た後に配属先となるクライアント企業を決定します。

以下のリンクから、営業職・事務職以外の事例もご確認いただけます。

LEARNING SHIP

「新入社員のやる気を引き出したい。どのような研修が効果的だろうか?」 入社3年以 […]…

「コミュニケーション力」「Microsoft365」など、営業/事務職の新入社員向け教材を豊富にラインナップ! ⇒ ライトワークスの新入社員研修向けeラーニングを詳しく見る

まとめ

営業職・事務職の新入社員研修でポイントとなるのは、いかに早期戦力化を実現するかということです。業務に即した実践的な内容にすることで、現場の人材不足解消につながるとともに、新入社員にとっても研修の満足度が高まり前向きに取り組みやすくなります。

新入社員研修実施の目的は、営業職と事務職でそれぞれ以下の通りです。

  • 【営業職】営業職の役割理解やノウハウの共有など
  • 【事務職】業務フローやシステムの使用方法の把握など

このような目的を踏まえ、営業職では新入社員研修で以下のようなスキルと知識の習得を図ります。

  • コンプライアンス
  • 自社商品・サービスと市場の知識
  • コミュニケーション
  • プレゼンテーション
  • 課題発見・解決
  • 論理的思考
  • 提案・クロージング

事務職の新入社員研修で習得したい内容は以下の通りです。

  • 顧客対応
  • 業界知識
  • PCスキルやIT知識
  • 情報セキュリティ
  • コミュニケーション
  • スケジュール管理

営業職・事務職に就く新入社員の早期戦力化につながる研修にするためには、以下の4つを心掛けることが大切です。

  • 【営業職】ソリューション営業の必要性を伝える
  • 【営業職】ロールプレイングなど実践的内容を盛り込む
  • 【事務職】事務職に求められる役割の変化を伝える
  • 【事務職】CSマインドやセールスマインドの醸成

この記事では、営業職や事務職の新入社員を早期戦力化するための取り組みとして、職種別に新入社員研修を実施している4社の企業事例を紹介しました。

  • 【営業職・事務職】Sky株式会社
  • 【営業職・事務職】日本テクノ株式会社
  • 【営業職】日本光電工業株式会社
  • 【事務職】日本リック株式会社

新入社員にいち早く現場で活躍してもらうためには、研修でどれだけ実践的な知識とスキルが身に付くかが鍵になります。新入社員の教育体系に、全体の研修とは別に職種ごとの業務に即した内容の研修を組み込むことで、現場が求める人材の育成につながるでしょう。

営業職と事務職の若手人材にもっと活躍してほしいとお考えの企業の方は、入社後の職種別研修を検討してみてはいかがでしょうか。

  1. 株式会社 PR TIMES「株式会社ベネッセホールディングス 2023年度新人研修に関する意識調査」,『PR TIMES』,(閲覧日:2024年12月7日)
    ↩︎

参考)
株式会社ライトワークス「新入社員研修で人事担当者が感じる課題」,『eラーニングマーケット』,https://content.lightworks.co.jp/new-employee-training/(閲覧日:2024年12月7日)
Sky株式会社「TRAINING Sky株式会社の一員としてのはじめの一歩」,『Sky 新卒採用サイト』,https://www.sky-recruit.jp/environment/training/(閲覧日:2024年12月7日)
日本テクノ株式会社「研修制度」,https://recruit.n-techno.co.jp/recruitment/training.html(閲覧日:2024年12月7日)
日本リック株式会社「未経験から始める事務職」,https://recruit.nipponrick.co.jp/expert-officework/(閲覧日:2024年12月7日)
日本光電工業株式会社,「CAREER」,『NIHON KOHDEN』,https://www.nihonkohden.co.jp/recruit/newgraduate/career/index.html(閲覧日:2024年12月7日)

企業向けLMS徹底比較

>会社案内パンフレット、各種事例、eラーニング教材サンプル、調査資料をダウンロードいただけます。

会社案内パンフレット、各種事例、eラーニング教材サンプル、調査資料をダウンロードいただけます。

会社案内パンフレット、各種事例、eラーニング教材サンプル、調査資料をダウンロードいただけます。

CTR IMG